依存症





そいつは突然僕に話しかけてきた


鬼ごっこをしよう って


ただ一言さ


退屈だった僕は快く賛成した



まず先に僕が鬼


早くそいつを捕まえれると思ってた


僕は足には少し自信があったんだ


でも、あれ? 思いのほかそいつは足が速かった


走っても走ってもそいつには追いつけない


それでも僕はずっとずっと追いかけた


挙句には自転車のペダルをこいだし、車のアクセルだって踏み込んだ


でもそいつには追いつかなかった



今では追いかけている理由なんて忘れてしまったよ




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